日本フルオロカーボン協会

ホームリンクコーナーサイトマップ

地球環境問題への取り組み

①地球温暖化

 人口増と生活水準の向上に伴い、森林面積の減少、化石燃料使用量の増加、産業活動拡大等による大気中温室効果ガス濃度上昇が懸念されています。 温室効果ガスは地表から宇宙に向かう赤外線の放射を邪魔して、地表付近の気温低下を遅らせます。その結果地表の平均気温は上がり、気候に変化をもたらし、その変化は自然と人間社会に悪影響を及ぼすと考えられました。 国連気候変動枠組条約(参加194カ国、1994年発効)では将来に禍根を残さないように、気候変化の仕組みや気候変化による被害に関わる研究を評価し、各国が温室効果ガスの排出抑制のために施策することを申し合わせました。

 京都議定書(参加191カ国、2005年発効)では、米国を除く先進工業国が温室効果ガス排出量のおよそ5%の削減を約束し(基準年100%に対して第1約束期間(2008年-2012年)平均を95%に)、京都メカニズムを加味すると締約国は、全て目標を達成しました。日本も8.4%減で目標の6%減を達成しました。2013年から始まった第2約束期間(2013年-2020年)には、日本、ロシア等は、参加しないことになりました。

 気候変化の仕組みやその影響に関わる研究が数年おきに国家間科学パネル(IPCC)によって評価され、その報告が公表されます。

 最新の報告(IPCC第5次評価報告書2014年)では、以下のように記載されています。「気候システムに対する人的影響は明らかであり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上最高となっている。近年の気候変動は、人間及び自然システムに対し広範囲にわたる影響を及ぼしてきた。気候システムの温暖化は疑う余地がなく、また1950年代以降、観測された変化の多くは数十年から数千年間にわたり前例のないものである。大気と海洋は温暖化し、氷雪の量は減少し、海面水位は上昇している。人為起源の温室効果ガスの排出は、工業化以降増加しており、これは主に経済成長や人口増加からもたらされている。そして、今やその排出量は史上最高となった。このような排出によって、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中濃度は、少なくとも過去80万年で前例のない水準まで増加した。それらの効果は、他の人為的要因と併せ、気候システム全体にわたって検出されており、20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い。地上気温は、評価された全ての排出シナリオにおいて21世紀にわたって上昇すると予測される。多くの地域で、熱波はより頻繁に発生しまたより長く続き、極端な降水がより強くまたより頻繁となる可能性が非常に高い。海洋では温暖化と酸性化、世界平均海面水位の上昇が続くだろう。(文科省、経産省、気象庁、環境省「気候変動2014 統合報告書 政策決定者向け要約」)」また、今世紀末の気温上昇は、0.3-4.8℃、海面水位の上昇は、26-82cmと予測されている。

②HFCのかかわり

 日本の温室効果ガス排出量は、およそ11億7000万CO2トン[二酸化炭素換算トン](2021年排出量)で、91%が二酸化炭素(10億640万CO2トン)、2.3%がメタン(2,740万CO2トン)、2.3%が亜酸化窒素(1,950万CO2トン)、4.6%がHFC(5,360万CO2トン)と推計されました。

 弊協会会員は業界自主行動計画の下でフルオロカーボン製造時の排出を抑制し、2021年には基準年の排出量を99%以上削減しました。今後は廃棄HFCの回収への協力等に、更に努力を重ねていきます。

 HFCによるオゾン破壊物質の代替はオゾン層の保護ばかりでなく温室効果の低減も実現しました。オゾン破壊物質より温暖化係数(GWP)の低い、また大気中の寿命の短いHFCを実用化したからです。

 GWPの低い非HFC代替品の実用化が進んでいますが、非HFC低GWP代替品がHFCをすべて代替できるでしょうか? HFCよりもGWPの低い代替品が必ずしもHFCより環境負荷が少ないとはいえない、温暖化係数(GWP)の大小で環境負荷の大小が決められない例として、HFCの使用によるエネルギー効率の高い機器の実現があります。 エネルギー効率が高ければ使っている間の二酸化炭素排出量を少なく出来ます。 また二酸化炭素(3000年以上)に比べ大気寿命の短いHFCでは、機器補修や機器廃棄の時に大気放出を避けて非HFC低GWP代替品より環境負荷を大きく減らすことができます。

 現在、環境への影響が小さく、またその使用が二酸化炭素排出量の抑制につながるHFCですが、今後も大気放出を避け適正な使用を進めることで、環境への影響を今よりも一層小さなものにしていくよう努力を続けます。さらに、GWPが小さいフルオロカーボンを製品化し、地球温暖化防止に努めており、今後も、より環境へ影響の小さい製品の開発・製品化に務めて参ります。

「日本の温室効果ガス排出量」
(2021年分 CO2トンによる比較 環境省発表より)
日本の温室効果ガス排出量

③キガリ改正

 特定フロンであるCFC 及びHCFC を含むオゾン層破壊物質については、オゾン層の保護のためのウィーン条約の下で採択されたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(以下、議定書)に基づいて、先進国では2020年に生産と消費を全廃している。これに対して、代替フロンであるHFC については、気候変動枠組条約の下で採択された京都議定書からパリ協定に基づいて、温室効果ガスの排出量を抑制してきている。HFCがオゾン層破壊物質の代替となり冷媒用途を始め、前述の先進国における生産と消費の全廃に大きく寄与したが、そそれら代替フロンの排出が地球温暖化を進める一因となったことが重要視され、その排出抑制対策だけでなく、生産・消費の規制が必要となった。

 HFCは、オゾン層破壊物質の代替物質として開発されたものであること、モントリオール議定書が途上国を含むほぼ世界中の国々が批准し、多数国間基金の運営による途上国支援のスキームを活用し、オゾン層破壊物質の生産・消費の削減に成果を上げていることを踏まえ、議定書の会議では、2009年より、規制対象物質にHFC を追加する提案が議論されてきた。そうした中で、2016年10 月にルワンダのキガリで開催された第28 回締約国会議(MOP28)において、議定書に18種類のHFC を追加する改正が採択された(キガリ改正)。

 以来、議定書では、オゾン層破壊物質だけでなく、温暖化係数を有する物質(18種のHFC)の生産・消費の規制を担うこととなった。

 ギガリ改正スケジュール

ギガリ改正スケジュール

 追加されたHFC18種

追加されたHFC18種

④オゾン層保護

 成層圏上部(地上約20~40km)にあるオゾン層は、波長280~320nmの有害紫外線(UV-B)を吸収して、地球の生命を保護しています。 CFC(クロロフルオロカーボン)中の塩素等がこの成層圏オゾン量を低下させることが指摘され、1970年代後半から問題視されるようになりました。

 CFC、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)等は大気中に放出されると拡散しますが、化学変化(分解)しにくいため、対流圏(地表~地上約10km程度)ではほとんど分解されずに成層圏に達します。 成層圏では太陽光に含まれる紫外線が酸素をオゾンに変えオゾン層を作っています。成層圏に達したCFC/HCFC等が紫外線により分解(光分解)されて塩素原子を放出すると、塩素原子は分解触媒となり連鎖的にオゾンを酸素に変化させます。 その結果オゾン層中のオゾン量が減り、地表に到達する有害紫外線の量が増加し、皮膚ガンや白内障の発生率が上昇する可能性があるほか、生態系にも重大な影響をもたらすおそれがあります。

 日本を含む先進国は1995年末CFC等の生産を全廃しました。

 尚、CFC等は温室効果ガスでもあるため、CFC等の排出減は地球温暖化防止にも役立ってるといわれます。

⑤生産規制の概要・効果

 オゾン層保護対策は、地球規模環境対策のさきがけとして、ウィーン条約(1985年)及び モントリオール議定書(1987年)でオゾン層破壊物質の生産量及び消費量(生産量+輸入量-輸出量)削減が国際的に義務づけられています。 我が国では、1988年に「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」を制定し、1989年7月からオゾン層破壊物質の生産・輸出入の規制を開始するとともに、その需要を円滑かつ着実に削減していくための施策が行なわれてきました。

 モントリオール議定書による規制強化の推移(先進国)
規制物質
(基準年)
規制開始 制定時
(1987)
ロンドン
(1990)
コペンハーゲン
(1992)
ウィーン
(1995)
モントリオール
(1997)
北京
(1999)
モントリオール調整
(2007)
キガリ改正
(2016)
CFC-11等(86) 89.7~ 1998~50%以下 2000~全廃 1996~全廃          
ハロン(86) 92.1~ 1992~100%以下 2000~全廃 1994~全廃          
その他CFC(89) 93.1~ 2000~全廃 1996~全廃          
四塩化炭素
(89)
95.1~ 2000~全廃 1996~全廃          
トリクロロエタン(89) 93.1~ 2005~全廃 1996~全廃          
HCFC(89) 96.1~ 2030~全廃 2020~全廃   2004~100%以下(生産量) 2010~25%以下(消費量)
2010~25%以下
2015~10%以下(生産量)
 
HBFC(--) 96.1~ 1996~全廃          
臭化メチル
(91)
95.1~ 1995~100%以下 2010~全廃 2005~全廃      
ブロモクロロメタン(--) 02.1~           2002~全廃    
ハイドロフルオロカーボン                 2019~段階的に削減 *

注)議定書では、各物質の生産量と消費量(生産量+輸入量-輸出量)を基準年の実績をベースに規制。

* :段階的削減のスケジュールならび、対象となるハイドロフルオロカーボンについては、下記URLにてご確認ください。

オゾン層破壊物質の規制に関する国際枠組み(ウィーン条約・モントリオール議定書 (METI/経済産業省)

 
UNEPによる予測シナリオ
 
 成層圏の塩素換算濃度は、2000年までにはその量はピークに達し、2050年までに1980年代のレベルに戻ることと予測されている。

 
HCFC-22 冷媒(新規) 2010年全廃
  冷媒(補充用) 2020年全廃
HCFC-141b 洗浄剤 2000年以降漸次削減
  発泡剤 2004年全廃
HCFC-142b 発泡剤 2010年全廃
HCFC-225 洗浄剤 2010年以降漸次削減

化学品審議会オゾン層保護対策部会中間報告